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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻7号

2002年06月発行

症例報告

MRSA膿痂疹を合併した亜鉛欠乏症

著者: 高橋政史1 岩月啓氏2 金子史男1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部皮膚科学講座 2岡山大学大学院医歯学総合研究科病態制御科学専攻皮膚粘膜結合織学

ページ範囲:P.541 - P.543

文献概要

 8か月の男児.在胎27週,1,082gの極低出生体重児で出生.生後3か月頃より顔面,臀部に皮疹が出現.脂漏性湿疹の診断で加療中,皮疹の増悪,MRSA陽性の膿痂疹化がみられた.患児の血清亜鉛を測定したところ血清亜鉛は低値を示し,母親では血清亜鉛は正常であったが,乳汁亜鉛は低値を示した.低亜鉛母乳による亜鉛欠乏症を基盤に膿痂疹が合併したと考えられた.亜鉛は免疫機能にも重要な役割を果たしており,慢性的な低亜鉛状態が膿痂疹の合併,皮疹の遷延化にも関与したのではないかと示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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