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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻7号

2002年06月発行

文献概要

症例報告

左中指末梢に生じた有棘細胞癌の1例

著者: 坂井真木1 白井明1 五十棲健1 野村智史2

所属機関: 1東京警察病院皮膚科 2東京警察病院形成外科

ページ範囲:P.558 - P.560

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 60歳,男性.初診約2年前より左中指のささくれ様皮疹に気づいた.他医にて瘭疽と診断され加療されたが,治癒しないため当科を紹介受診した.左中指爪下から指腹にかけて13×14×3mmの自発痛を伴う肉芽腫様結節がみられた.病理組織学的に爪下から骨に達する有棘細胞癌の腫瘍像を認めた.治療としては,左中指近位指節間関節にて離断した.術後約1年半を経過するが,再発は認められない.爪甲下悪性腫瘍は稀であり,臨床的に爪囲炎,爪真菌症などと似ているため,早期に診断することは一般に困難である.爪下に難治性の潰瘍,爪囲炎を経験した場合,骨X線,生検を試みる必要があると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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