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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻7号

2002年06月発行

文献概要

症例報告

肝細胞癌に対する経肝動脈腫瘍塞栓術の合併症として皮下硬結および潰瘍を生じた1例

著者: 永井弥生1 曽我部陽子2 小島明3

所属機関: 1利根中央病院皮膚科 2群馬大学医学部皮膚科学教室 3桐生厚生総合病院内科

ページ範囲:P.564 - P.566

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 69歳,男性.肝細胞癌に対して第3回目の経肝動脈腫瘍塞栓術(TAE)が施行され,1か月半後に上腹部に皮下硬結を生じた.さらに第4回目のTAEが施行され,10日後に再度皮下硬結が生じ,潰瘍化した.いずれも既報告例と異なり,右肝動脈からTAEが施行されていた.このような皮膚障害の原因とされている肝鎌状靱帯動脈は血管造影時には描出されておらず,またTAE施行後長期経過して発症していた.塞栓物質が描出されない異常動脈を介して皮膚障害をきたした可能性や,頻回のTAEにより側副血行路が形成され,これを介して発症した可能性が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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