icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻7号

2002年06月発行

文献概要

治療

肝硬変に伴う汎発性皮膚瘙痒症に対する種々の止痒法の試み

著者: 萩原正則1 江畑俊哉1 幸田公人1 上出良一1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.568 - P.570

文献購入ページに移動
 62歳,男性.肝硬変・肝細胞癌の経過中に,瘙痒を伴う紅色丘疹,掻破痕が生じた.ステロイド剤外用,抗アレルギー薬内服により皮疹は軽快したが,強い瘙痒が持続した.瘙痒を客観的に把握するために,夜間就寝中の掻破を赤外線ビデオカメラを用いて測定した.全記録時間に対する全掻破時間(total scratching time)の割合(TST%)は8.9%で,アトピー性皮膚炎の中等症例と同程度の掻破が観察された.肝疾患に伴う瘙痒に有効との報告のあるナロキソン,オンダンセトロン,プロポフォールを就寝前に静脈内投与し,瘙痒およびTST%に対する効果をヒドロキシジン,生理食塩水の投与後と比較した結果,ナロキソン,オンダンセトロンにより瘙痒とTST%が減少した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?