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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻8号

2002年07月発行

文献概要

症例報告

抗デスモグレイン1抗体陽性を示した疱疹状天疱瘡の1例

著者: 近藤直子1 竹本啓伸1 鳴海博美1 野村和夫1 山本欣一2

所属機関: 1青森県立中央病院皮膚科 2医療法人青栄会ヤマモト皮膚科

ページ範囲:P.604 - P.606

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 65歳,女性.躯幹・四肢に爪甲大から手拳大までの瘙痒を伴う境界明瞭な紅斑が出現,一部環状,一部地図状の紅斑が融合した局面を形成した.紅斑の辺縁には粟粒大の小水疱が配列し,一部にはびらん,痂皮化がみられた.病理組織では表皮内水疱を呈し,eosinophilic spongiosisを伴っていたが,明らかな棘融解細胞はみられなかった.蛍光抗体直接法では表皮細胞間にIgG,C3の沈着がみられたが,特にそれらは基底細胞間で強く発現していた.ELISA法では血中抗デスモグレイン1抗体が単独高値であった.以上より自験例を疱疹状天疱瘡と診断した.自験例は蛍光抗体直接法ではIgG,C3が基底細胞間で強く発現していたが,ELISA法では抗デスモグレイン1抗体が陽性という点が興味深いと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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