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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻8号

2002年07月発行

文献概要

症例報告

陰茎の潰瘍として初発した壊疽性膿皮症の1例

著者: 佐藤香織1 長井泰樹1 草間美紀1 松下哲也1 江畑俊哉1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.610 - P.612

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 32歳,男性.1996年より潰瘍性大腸炎にて治療されている.2000年7月より下痢,粘血便が頻回となり,9月中旬から陰茎部に潰瘍,浮腫が出現した.近医で細菌感染症,単純ヘルペスウイルス感染症を疑い治療されたが軽快せず当科を受診した.その後,腰部,前腕にも潰瘍が出現し,壊疽性膿皮症が,また鑑別疾患としてFournier壊疽も疑われたため,入院しプレドニゾロン20mg/日より治療を開始した.40mg/日まで増量したところ潰瘍は上皮化し,陰茎の浮腫も軽快したため,プレドニゾロンを減量して退院となった.その後,再発はみられていない.潰瘍性大腸炎に伴う壊疽性膿皮症は数多く報告されているが,陰茎の潰瘍として初発したものは少ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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