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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻8号

2002年07月発行

症例報告

血管浮腫のみられたアスピリン不耐症の1例

著者: 川口博史1 小野田雅仁1 竹下芳裕1 高橋生世1 池澤善郎1

所属機関: 1横浜市立大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.617 - P.619

文献概要

 主に眼瞼に血管浮腫のみられたアスピリン不耐症を経験した.症例は27歳の女性で,軽症のアトピー性皮膚炎があり,幼少児期より蕁麻疹が出現していたが,特に鎮痛薬を飲むと眼瞼,口唇が腫脹し,呼吸苦が出現していた.入院のうえアスピリンや他の酸性NSAIDsを用いてプリックテストを施行したがすべて陰性であった.アスピリンの内服テストは,常用量の1/5である100mgを内服後約1時間で結膜の充血,眼瞼の腫脹,膨疹が認められ始め陽性と考えた.ジクロフェナクとメフェナム酸は1回常用量の内服で陽性反応は認められなかった.アスピリン不耐症の中で眼瞼の血管浮腫は比較的稀と思われるが,眼瞼のみに症状のみられる理由は明らかになっていない.他の酸性NSAIDsと交叉反応しない点など,従来のアスピリン不耐症とは機序が異なっている可能性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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