icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻8号

2002年07月発行

文献概要

症例報告

虫蝕様皮膚萎縮症の1例

著者: 森口八重子1 小楠浩二1 森脇真一2

所属機関: 1富士宮市立病院皮膚科 2浜松医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.630 - P.632

文献購入ページに移動
 3歳4か月,男児.生後6か月頃より両側頬部に点状あるいは網目状の陥凹性病変が出現,またところどころ面皰様の黒点も混じるようになった.皮疹は徐々にその数を増し,額部,上眼瞼,オトガイ部にまで拡大したが,その傾向は2歳3か月頃まで継続した.既往歴に乳児湿疹,先天性白内障があるが,現在まで脱毛や成長障害は認められない.組織学的には表皮の萎縮と真皮内の角質嚢腫形成,膠原線維の変性を認めた.発症が乳児期という点が典型例とは異なるものの,特徴的な臨床所見と病理組織像より虫蝕様皮膚萎縮症と診断した.現在,皮疹の進行を認めないため,無治療にて経過観察中である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?