文献詳細
症例報告
文献概要
3歳4か月,男児.生後6か月頃より両側頬部に点状あるいは網目状の陥凹性病変が出現,またところどころ面皰様の黒点も混じるようになった.皮疹は徐々にその数を増し,額部,上眼瞼,オトガイ部にまで拡大したが,その傾向は2歳3か月頃まで継続した.既往歴に乳児湿疹,先天性白内障があるが,現在まで脱毛や成長障害は認められない.組織学的には表皮の萎縮と真皮内の角質嚢腫形成,膠原線維の変性を認めた.発症が乳児期という点が典型例とは異なるものの,特徴的な臨床所見と病理組織像より虫蝕様皮膚萎縮症と診断した.現在,皮疹の進行を認めないため,無治療にて経過観察中である.
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