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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻8号

2002年07月発行

症例報告

頸部リンパ節結核を伴ったBazin硬結性紅斑の1例

著者: 小西研史1 森田和政1 高橋健造1 錦織千佳子1 宮地良樹1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科内科系専攻皮膚病態学

ページ範囲:P.658 - P.660

文献概要

 36歳,女性.2年前より両下腿に硬結性の紅斑を認めた.また,半年くらい前より左頸部リンパ節腫大に気づいた.母に肺結核の既往がある.CRP0.4mg/dl,ESR62mm/hと亢進していた.ツベルクリン反応は最大径45×36mmで,硬結,二重発赤を伴っていた.胸部X線写真にて陳旧性結核を疑わせる肺陰影を認めた.結核菌は塗抹,PCR法では喀痰,皮疹部,頸部リンパ節いずれからも検出されなかった.培養では尿,喀痰,皮疹部は陰性だったが,頸部リンパ節から10コロニー検出された.皮疹部の組織では真皮深層から皮下脂肪織にかけて巨細胞を伴った肉芽形成を認めた.頸部リンパ節の組織では乾酪壊死とその周囲に類上皮細胞を認める結核結節を形成していた.イソニアジド,リファンピシン,エタンブトールの投与後3か月で頸部リンパ節は著明に縮小し,下腿皮下硬結はほぼ消失した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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