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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻9号

2002年08月発行

症例報告

帯状配列をしたlichen aureusの1例

著者: 安岐敏行1 三原基之1

所属機関: 1鳥取大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.716 - P.718

文献概要

 13歳,男性,中学生.1995年より左下腿に赤褐色斑が出現し,徐々に拡大し大腿にも出現するようになった.個疹は,褐色の斑とその中の米粒大程度の紅色丘疹からなり,それは硝子圧で退色しないため紫斑と確認した.皮疹は全体として右下肢外側を上下方向に配列していた.組織学的には表皮直下にgrenz Zoneを伴うリンパ球浸潤がみられ,一部毛細血管周囲には赤血球の漏出がみられた.治療は桂枝茯苓丸エキス2包/日の内服とステロイド外用剤の外用を行った.半年でほとんど消退して以後2年間再発はみられない.帯状ないし列序性配列するlichen aureusを文献的に検索したが,これは稀な病態ではなく広範囲に皮疹がみられる場合に多くの症例にみられる所見と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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