icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻9号

2002年08月発行

症例報告

トラニラストが著効した皮下型サルコイドの1例

著者: 前島英樹1 嶋村祐美1 白井京美1 原田晴美1 番場圭介1 越後貫理香1 衛藤光1

所属機関: 1聖路加国際病院皮膚科

ページ範囲:P.727 - P.730

文献概要

 62歳,女性,上肢,躯幹に常色の皮下結節を10個認めた.血清リゾチーム値は上昇,血清ACE値は正常で,両側肺門部リンパ節腫脹や肺野病変,心病変,眼病変は認めなかった.トラニラストを内服開始した.3週間内服後,皮下結節はほとんど消失したが薬剤性肝障害と膀胱炎が出現したため内服を中止した.その後,特に治療を行わず皮下結節は消失した.過去10年間に報告された皮下型サルコイド128例の症例中トラニラスト内服例は自験例を含め8例あった.そのうち有効であった6例の投与後の皮疹消失期間までの平均は2.58か月で皮疹出現から消失までの平均期間は6.75か月であった.それに対し経過観察を行った症例のなかで消失までの期間の記載があった10例では,全経過の平均期間が7.8か月であった.トラニラストは皮疹出現後早期に投与すると消失までの期間が短縮できると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら