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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻9号

2002年08月発行

文献概要

症例報告

インターフェロンαによる皮膚潰瘍の1例

著者: 渡辺洋1 菊地克子1 田上八朗1 佐々木治2 目黒邦昭2

所属機関: 1東北大学医学部皮膚科学教室 2東北大学医学部血液内科

ページ範囲:P.743 - P.746

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 45歳,男性.慢性骨髄性白血病のためインターフェロンα(以下,IFN—α)の皮下注を4年前より繰り返していたところ,皮下注部位に一致して皮膚潰瘍の発生を何度も生じるようになった.MRIの所見などより保存的治療では治癒は困難と判断し,壊死層除去術,分層植皮術を施行した.機序としては,感染の関与,注射針による物理的損傷の蓄積,創傷治癒遅延/炎症プロセスの修飾などのIFN—αの直接の作用,添加物の作用,cold panniculitisの機序などが考えられた.このような副作用を防止するためには,確実に筋注を行うこと,注射部位をローテートすること,清潔操作に注意すること,室温に戻してから注射することなどが重要であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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