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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科56巻9号

2002年08月発行

文献概要

症例報告

趾間に生じた表皮嚢腫

著者: 小林眞理1 重枝明子1 平田順子1 繁益弘志1 原田敬之1

所属機関: 1東京女子医科大学附属第二病院皮膚科

ページ範囲:P.758 - P.760

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 34歳,女性.約3年来,右足にしこりが生じ,徐々に増大してきた.初診時,右第1趾間に皮下結節が触知され,epidermal inclusion cystや神経鞘腫などが疑われた.超音波画像検査にて,境界の比較的明瞭な低エコーの塊状物が,また造影CT検査にて軟部組織様輝度の塊状物が描出された.画像上,瓢箪型の形状が予測された.全摘術を施行し,三房性で被膜を有する腫瘍塊が得られた.病理組織学的には表皮嚢腫様構造を成し嚢腫壁には粗大顆粒や不全角化がみられた.しかしホルマリン標本を用いた免疫染色ではヒト乳頭腫ウイルスを検出できなかった.日常ありふれた表皮嚢腫であるが,趾間に発生したという報告は稀であり,そのため診断が困難であったり,不整形で摘出に注意を要する場合もあると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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