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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻1号

2003年01月発行

原著

悪性黒色腫の診断におけるdelayの分析

著者: 竹之内辰也1 須山孝雪12

所属機関: 1新潟県立がんセンター皮膚科 2新潟大学大学院医歯総合研究科分子細胞医学専攻細胞機能講座皮膚科科学分野

ページ範囲:P.8 - P.12

文献概要

悪性黒色腫の早期発見のための啓蒙活動の方向性を探る目的で,1996~2001年までに新潟県立がんセンターで治療した悪性黒色腫患者43名の病歴調査を行い,患者が最初に皮疹に気付いてから黒色腫の診断が下されるまでの期間(delay)についてその要因を分析した.patient delay(皮疹発見~最初の医療機関受診まで)の中央値は24か月(0~120か月)で,露出部発生例と悪性の不安を持たなかった例で延長しており,physician delay(最初の受診~診断確定まで)の中央値は0.3か月(0~26か月)で,結節型の症例で有意に延長していた.現存中の35名に対する聞き取り調査では“悪性黒色腫”の病名を以前から知っていたのは4名(11%)のみであった.大衆向けには黒色腫をはじめとする皮膚癌の存在を広く認識させることがまず必要で,医療者向けには非定型的な形態を呈する黒色腫への注意を喚起すべきと思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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