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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻1号

2003年01月発行

文献概要

今月の症例

乳児の水疱性類天疱瘡の1例

著者: 金原拓郎1 大槻典男1 前川尚三2 中谷茂和2

所属機関: 1舞鶴共済病院皮膚科 2舞鶴共済病院小児科

ページ範囲:P.13 - P.16

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生後2.5か月,男児.初診の7日前より顎下部に小水疱を伴った浮腫性紅斑が出現し,徐々に手足,体幹にも小豆大の浮腫性紅斑が出現.紅斑上や正常皮膚,掌蹠に緊満性水疱も出現してきた.口腔粘膜疹はなく痒がる動作はみられない.皮膚病理組織では,真皮乳頭に軽度の浮腫を認め,真皮上層の血管周囲に好酸球とリンパ球の浸潤を認める.蛍光抗体直接法では,IgG,C3が基底膜に線状に沈着した.間接法でIgGが基底膜に80倍で陽性であった.split skinで患者血清IgGが表皮側に80倍で陽性.免疫ブロット法で患者IgG抗体は180kDの表皮蛋白と反応した.治療はベタメタゾン(リンデロン(R))0.1mg/kg/日より内服開始.水疱の新生は続き0.4mg/kg/日まで増量したが水疱の新生は続いた.しかし,リンデロン(R)減量中に皮疹は寛解傾向を示し,中止後の現在は水疱の新生はほとんどない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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