文献詳細
症例報告
文献概要
70歳,男性.主訴は顔面,手掌,項部の紅斑性落屑性皮疹.10年前に大腸癌の手術.飲酒歴なし.10年以上1人暮らしで,1か月来水分のみの摂取で,2週間前からは起立歩行不能となり下痢も生じた.血液検査でVitB1が正常下限,VitB2,B6,亜鉛が低下,ニコチン酸は正常,血中アミノ酸分析でトリプトファンが著明に低下.尿ウロポルフィリンは正常,コプロポルフィリンは軽度増加.顔面の皮疹の生検で,表皮肥厚,散在性の好中球浸潤,真皮乳頭浮腫,毛細血管拡張,少数のリンパ球,好中球浸潤がみられた.ステロイド剤外用とニコチン酸アミド(600mg/日),VitB2,B6,亜鉛の投与で約1か月半後に皮疹は改善した.
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