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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻1号

2003年01月発行

文献概要

症例報告

メトトレキサートが奏効した成人発症Still病

著者: 村野啓明1 増澤真実子1 古谷野妙子1 松井良樹2

所属機関: 1総合病院取手協同病院皮膚科 2筑波大学臨床医学系病院診療研究グループ(輸血部)

ページ範囲:P.57 - P.60

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 29歳,女性.半年間にわたり,高熱,咽頭痛,関節痛などが繰り返し出現し,溶連菌性咽頭炎として各種抗生剤,NSAIDsなどにより加療された後,Stevens-Johnson症候群を発症した.ミニパルスを含むステロイドの全身投与により治癒したが,3か月後,高熱,関節痛,咽頭痛が再発し,体幹に紅斑を伴い,白血球増多,肝障害,リウマチ因子・抗核抗体陰性,血清フェリチン値高値から成人発症Still病と診断した.パルスを含むステロイドの全身大量投与によっても病勢を十分に抑えられなかったが,メトトレキサートの少量間歇投与により速やかに症状の軽快をみた.成人発症Still病の多くはステロイドに対して良好な反応をみせるが,一部の症例ではステロイドのみでは寛解に至らない.それらの症例に対して,メトトレキサート少量間歇療法が,有効かつ比較的安全な治療法として確立されつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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