文献詳細
症例報告
文献概要
60歳,女性.12年前より糖尿病で加療されていた.6年前,右手背に紅斑性局面が出現し,以後皮疹が拡大してきたので来院した.初診時,右手背に紅斑性局面があり,前腕,大腿,頚部にも紅斑が多発していた.皮膚病理組織では,真皮上層から中層に膠原線維の変性があり,その周囲に組織球,リンパ球の細胞浸潤が取り囲んだ肉芽腫を形成していた.Elastica van Gieson染色では,膠原線維の変性と変性病巣内で弾力線維の減少がみられた.明らかなpalisading patternは認めなかった.文献的に糖尿病に併発する環状肉芽腫は非定型疹で汎発型の頻度が高いとされているが,自験例でもそれに一致する所見と考えた.
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