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症例報告
肛囲溶連菌性皮膚炎の1例
著者: 宇宿一成1
所属機関: 1宇宿ひふ科クリニック
ページ範囲:P.873 - P.874
文献購入ページに移動 2歳11か月,男児.肛囲にそう痒を伴う紅斑を生じた.直接鏡検で真菌要素を認めなかったことから接触皮膚炎としてステロイド外用剤を処方したが改善しなかった.細菌培養でA群β溶連菌を検出したため,肛囲溶連菌性皮膚炎(perianal streptococcal dermatitis:PSD)と考え,セフジニル内服,フシジン酸ナトリウム軟膏外用を行ったところ,1週間で治癒した.PSDはおむつ皮膚炎やカンジダ症と誤診されやすい臨床像を呈し,症状も軽いために見逃されていることも多いと考えられる.小児の肛囲の皮疹をみる場合には,PSDを念頭に置いた診察がなされるべきであると考えた.
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