icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻10号

2003年09月発行

文献概要

症例報告

サルコイド様肉芽腫を呈し経表皮排泄がみられた眉毛部刺青の1例

著者: 吉永英司1 大西善博1 多島新吾1 石橋明1

所属機関: 1防衛医科大学校皮膚科学教室

ページ範囲:P.902 - P.904

文献購入ページに移動
 71歳,女性.眉毛部に刺青を施術し,約1年後,同部にそう痒を伴う軽度浸潤を触れる紅斑が出現.組織はサルコイド様の肉芽腫であったが,リンパ球の浸潤もあり典型的なサルコイド肉芽腫ではなかった.刺入物は,黒の顆粒が大部分で,ほかに赤,茶,緑の顆粒を少量ずつ含んでおり,金属元素定量ではカルシウム,ナトリウム,鉄,銅のほか,微量のクロムを含んでいた.金属パッチテストではクロムが++であった.経過中に経表皮排泄を思わせる現象がみられ,排泄物内に前述した4色の色素顆粒がみられた.本例の発症にアレルギー性反応と肉芽腫性反応の両方が関与していると考え,経表皮排泄については異物に対する反応と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?