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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻10号

2003年09月発行

文献概要

症例報告

巨大な皮膚壊死を生じたangiocentric lymphomaの1例―MRI画像診断の有用性

著者: 宮岡由規1 滝脇弘嗣1 荒瀬誠治1 大島隆志2 安倍正博2 若槻真吾3 榊哲彦4

所属機関: 1徳島大学医学部皮膚科学教室 2徳島大学医学部第一内科 3徳島大学医学部第一病理 4白鳥皮膚科クリニック

ページ範囲:P.913 - P.916

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 83歳,男性.当科初診3か月前より右下腿脛骨前面に浮腫状紅斑が出現し,次第に潰瘍を伴ってきたため当科を受診した.初診時,右下腿脛骨前面のほぼ全域にわたって板状硬の紅斑を認め,その中央に広範な壊死を伴っていた.初回生検で確診できず診断に苦慮したが,MRI所見では筋肉から骨髄にかけ,T1強調像にて高信号,T2強調像にて筋肉と等信号を呈する蚕食状の異常信号域がみられ,骨髄腫やリンパ腫の骨浸潤を疑った.再度の拡大生検で血管中心性に異常リンパ球の浸潤と血管の破壊・塞栓が確認され,angiocentric lymphomaと診断しえた.免疫組織学的に腫瘍細胞はNK細胞のマーカーを有し,TCR(Cβ1,γ)の遺伝子再構成を認めず,EB virus encoded small RNAが陽性であった.各種治療の効果なく初診より11か月後に死亡した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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