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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻10号

2003年09月発行

文献概要

症例報告

ムチン産生有棘細胞癌の1例

著者: 森本亜玲1 安西秀美1 高橋勇人1 畑康樹1 石河晃1 谷川瑛子1 西川武二1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.922 - P.925

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 65歳,男性.半年前より小結節を認め,その後急速に増大した.初診時径35mm大,高さ20mmの広基有茎性紅色腫瘤で,皮膚生検にて有棘細胞癌(SCC)と診断し,拡大切除を施行した.病理組織にて,有棘細胞様異型細胞のほか,ムチカルミン染色,アルシアンブルー染色,d-PAS染色に陽性のムチンを豊富に認めたことより,ムチン産生SCCと診断した.Tc99m-Snコロイドによるセンチネルリンパ節生検で転移所見を認めたため,右腋窩リンパ節郭清を施行し,郭清リンパ節20個中6個に転移を認めた.5FU+CDDPによる化学療法を3クール施行し,約2年経過するが再発を認めない.ムチン産生SCCは本邦,海外を併せ24例しか報告がない稀な腫瘍で,通常のSCCに比し予後不良とされ,重要であると考え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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