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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻10号

2003年09月発行

文献概要

臨床統計

久留米大学皮膚科における過去8年間の慢性放射線皮膚炎および続発性皮膚腫瘍の臨床的検討

著者: 橋本悟1 黒瀬浩一郎1 名嘉眞武国1 安元慎一郎1 森理1 橋本隆1

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.939 - P.941

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 種々の基礎疾患に対して行われてきた放射線療法によって発症する慢性放射線皮膚炎には,さまざまな皮膚悪性腫瘍を合併することがあるが,その発生までには治療後数年~数十年と幅がある.久留米大学皮膚科において1994~2001年に19例の慢性放射線皮膚炎を経験した.そこで慢性放射線皮膚炎ならびに続発性皮膚悪性腫瘍の発生状況について臨床的,統計的検討を加えた.19例の放射線治療の対象となった原病は白癬4例,血管腫2例,子宮頚癌9例,乳癌1例,頭頚部悪性腫瘍3例であった.皮膚悪性腫瘍の合併は10例で,有棘細胞癌3例,基底細胞癌3例,Bowen病2例,有棘細胞癌と基底細胞癌の合併が1例,血管肉腫が1例であった.各症例について線源,発生までの期間,放射線皮膚炎の病型などを検討したところ,皮膚悪性腫瘍発生には,線源の種類,照射後の時間経過などの関与が大きいと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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