文献詳細
今月の症例
文献概要
78歳,女性.軀幹・四肢に5~10mm大の辺縁が堤防状に隆起し,中央部は壊死または萎縮陥凹した皮疹が孤立性に約100個ほど認められた.組織像は真皮上層部の楔状の膠原線維の均一化,脂肪織の小血管に血栓形成をみ,悪性萎縮性丘疹症と診断.皮疹の増悪と並行して,βトロンボグロブリンと血小板第4因子の高値を示したが,多臓器の異常なく,アスピリン内服にて2年間皮疹のみ.文献的考察にて凝固系に異常のあった7症例は消化器系・中枢神経系の血栓を合併していた.βトロンボグロブリンと血小板第4因子の値は病勢と相対しており,画像診断で見つけにくい微小血栓を示す指標となると思われた.
掲載誌情報