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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻11号

2003年10月発行

文献概要

症例報告

骨髄癌腫症を生じ急激な経過を辿った悪性黒色腫の1例

著者: 樹神元博1 伊崎誠一1 大城貴史2 土田幸英2 鈴木正3 平井昭男4

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科学教室 2埼玉医科大学総合医療センター形成外科 3埼玉医科大学皮膚科学教室 4埼玉社会保険病院皮膚科

ページ範囲:P.1011 - P.1014

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 44歳,女性.初診の10年程前から腹部に黒色の皮疹を認めていた.1か月前から増大傾向を認めたため当科を受診した.初診時,臍上壁に一部で潰瘍化し,ドーム状に隆起する黒色結節を認めた.病理学的には表皮内,真皮内に胞体の明るい,メラニンを含有する異型細胞が,胞巣を形成して増殖していた.以上より,結節型悪性黒色腫と診断した.センチネルリンパ節生検で左鼠径リンパ節に転移を認めた.両側鼠径および腋窩リンパ節郭清,化学療法を施行した.経過中,著明な汎血球減少とDICを合併し,輸血など対症療法を施行するも効果なく,初診から約4か月半後,永眠した.剖検にて椎骨の骨髄は著明に黒色調を呈し,顕微鏡的に骨髄を含む多臓器に転移を認めた.骨髄癌腫症の原発巣は胃癌が多く,DICなどの血液学的異常を合併し,急激な経過を辿ることが知られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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