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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻11号

2003年10月発行

文献概要

症例報告

帯状疱疹後の腹筋麻痺の1例

著者: 曽我部陽子1 大西一徳1 石川治1

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1024 - P.1026

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 59歳,男性.帯状疱疹後の腹部の膨隆を主訴に皮膚科受診.初診時,右側腹部Th9-11領域に立位で著明となる腹部の膨隆を認め,腹筋の収縮は不可能であった.腹部CT上膨隆部の内・外腹斜筋,腹直筋は,左側と比較し収縮性を失い菲薄化していた.経過を通じて起き上がりや立位の困難はなく,便秘も認めなかった.帯状疱疹による腹筋麻痺と考え,筋力トレーニングとビタミンB12の内服を行い,症状は軽快した.帯状疱疹に合併する運動麻痺としては,顔面神経麻痺や上肢の運動麻痺が知られているが,腹筋麻痺も起こりうる.この場合,先行症状や随伴症状として便秘を認めることが多く,患者のQOLを著しく損なうことになる.腹部帯状疱疹の患者の診療にあたっては,皮疹軽快後も便秘の有無の聴取や注意深い腹部の視診および触診が大切であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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