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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻12号

2003年11月発行

文献概要

症例報告

SLEに発症したカルバマゼピンによる重症型薬疹―HHV-6とCMVの抗体価の変動が認められた1例

著者: 秋田洋一1 玉田康彦1 松本義也1 星野晃2 佐橋功2

所属機関: 1愛知医科大学皮膚科学教室 2愛知医科大学神経内科学教室

ページ範囲:P.1065 - P.1067

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 32歳,女性.1998年にSLEを発症し,2001年5月頃より,会話中に突然の眼球運動が出現したため,当院神経内科にてSLE脳症の疑いでカルバマゼピン(テグレトール(R))を投与された.投与後9日目頃より,発熱とともに,顔面のびまん性の紅斑と体幹と四肢の紅斑と丘疹が出現し,肝機能障害と末梢血中に異型リンパ球が認められた.左下腿紅斑部の病理組織学的検索にて薬疹の像を呈し,パッチテストおよび薬剤添加リンパ球刺激試験を施行したところテグレトール(R)に陽性を示した.各種ウイルス抗体価の検索では発症当初,抗HHV-6IgG抗体価と抗CMV IgM抗体価の上昇を認めたが,皮疹の改善とともに低下した.多臓器障害を伴う重症型薬疹と診断し,テグレトール(R)の内服中止とステロイドおよびγ-グロブリンの投与にて,2週間後に全身の皮疹は消退し肝機能もほぼ正常化した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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