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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻12号

2003年11月発行

文献概要

症例報告

カルバマゼピンによるdrug-induced hypersensitivity syndromeの1例

著者: 平原和久1 狩野葉子1 塩原哲夫1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1069 - P.1072

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 40歳,女性.2001年7月27日より自律神経失調症のため,カルバマゼピン内服を開始した.23日後より高熱が出現し,その2日後には全身に皮疹を認め来院した.初診時,高熱と,ほぼ全身の淡い浮腫性の紅斑,異型リンパ球の出現を件う白血球の増多,高度の肝障害を認めた.drug-induced hypersensitivity syndrome(DIHS)を疑い薬剤を中止し,ステロイドの投与はあえて行わず補液のみで経過をみたところ,一過性の増悪は認めたものの,皮疹,肝機能は速やかに軽快した.発症19日目にHHV-6IgG抗体価の著明な上昇と,末梢血中にHHV-6DNAを検出した.軽快後のカルバマゼピンのDLSTは強陽性を示し,カルバマゼピンによるDIHSと診断した.初診時血清IgG値の低下を認めたことから,DIHSの発症における免疫不全の関与と,ステロイド投与の是非について考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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