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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻12号

2003年11月発行

文献概要

症例報告

抗酸菌感染症における薬剤誘発性の好中球性皮膚症

著者: 中島英貴1 池田光徳1 山本康生1 小玉肇1

所属機関: 1高知医科大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1096 - P.1098

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 55歳,女性.右大腿骨骨髄炎と左無気肺を併発しており,さらに頚部と鼠径のリンパ節腫脹が出現した.リンパ節の培養からMycobacterium intracellulareが検出され,全身性非結核性抗酸菌症と診断した.INH,RFP,EBの三者併用は無効で,スパラ(R)を追加投与したところ,発熱とともに全身に膿疱と滲出性紅斑が出現した.スパラ(R)の投与中止後皮疹は消退したが,内服誘発試験により膿疱が再燃したため,acute generalized exanthematous pustulosisと考えた.骨髄炎,肺,リンパ節の病変が残存するため,クラリス(R)の投与に変更したところ,少数の膿疱が出没していたが,2か月後には膿疱がみられなくなり,これらの病変も著明に縮小した.クラリス(R)投与中の膿疱は,Herxheimer反応類似の機序で出現したと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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