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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻12号

2003年11月発行

文献概要

症例報告

Hyperkeratosis of nipple and areolaの1例

著者: 福田英嗣1 芝原真理子1 日野治子1

所属機関: 1関東中央病院皮膚科

ページ範囲:P.1100 - P.1103

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 31歳,女性.3か月前より,乳房に下着が擦れそう痒感があった.掻破しているうちに同部に発赤,滲出液が出現したため,2001年11月20日に当科を受診した.湿疹二次感染の診断のもと抗生剤の内服およびステロイド剤の外用を行った.数日で乾燥傾向があり,褐色の丘疹と色素沈着へと変化した.その後もステロイド剤の外用を継続したが皮膚病変の消褪がなかったため,炎症の軽快した後に褐色丘疹を生検した.組織所見は表皮に過角化,乳頭腫症,真皮上層には血管周囲に炎症細胞浸潤があり,臨床と併せ,hyperkeratosis of nipple and areolaと診断した.治療はステロイド剤の外用を継続していたところ色素沈着を残すのみとなった.本症は報告例が少なく,本邦報告例について文献的考察を加え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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