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症例報告
デキサメサゾン・脱脂大豆乾留タール軟膏外用が奏効した硬化性萎縮性苔癬の1例
著者: 宇宿一成1
所属機関: 1宇宿ひふ科クリニック
ページ範囲:P.1104 - P.1105
文献購入ページに移動 70歳,女性.1999年10月ごろから外陰部にそう痒感を伴う脱色素斑を認め,自己治療していたが,改善なく脱色素斑が徐々に拡大するため2002年10月7日当科を受診した.外陰部にびらんを伴う白斑を認めた.病理組織学的には表皮肥厚と基底層の空胞変性,真皮上層の浮腫と膠原線維の膨化,均質化を認めたことより,硬化性萎縮性苔癬(LSA)と診断した.デキサメサゾン・脱脂大豆乾留タール軟膏1日2回外用にて4週後にはほぼ正常の外観を呈するようになった.この軟膏に含有されるステロイドは最も抗炎症活性の低いグレードV(GV)に分類される0.1%デキサメサゾンであり,外陰部に外用するうえでの安全性も高く,LSAに対して有用な外用剤であると考えた.
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