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症例報告
背部に生じた脂腺母斑の1例
著者: 服部尚生1 安藤浩一1
所属機関: 1名古屋第一赤十字病院皮膚科
ページ範囲:P.1106 - P.1108
文献購入ページに移動 生後1か月,男児.在胎31週で二卵性双生児として出生した.呼吸窮迫症候群のためNICU入院後,右背部に幅3cm,長さ9cmの紅色脱毛局面を認めた.皮膚生検にて,真皮上層に成熟した皮脂腺が多数みられた.以上の臨床像,病理組織学的所見より,脂腺母斑と診断した.脂腺母斑の発症部位について,過去の報告では,頭頚部発症例は90%近くを占めていた.しかし,軀幹発症例は数%とわずかであり,背部に生じた本症例は比較的稀な例と思われた.脂腺母斑症候群の合併については,神経学的に異常を認めなかったが,経過観察を要すると考えられた.
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