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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻12号

2003年11月発行

症例報告

眼窩後壁の骨欠損,髄膜脳瘤,眼球突出を合併した神経線維腫症1の1例

著者: 草間美紀1 黒坂良枝1 小松崎眞1 石地尚興1 上出良一1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科

ページ範囲:P.1109 - P.1111

文献概要

 43歳,女性.家族内に同症なし.生下時より全身にカフェ・オ・レ斑がみられた.生後8か月頃,ハイハイの際,右上下肢の動きが不自然であることに気付いたが,診断がつかぬまま放置されていた.3歳頃,左上下眼瞼から耳前部にかけて軟らかい腫瘤が出現し,びまん性神経線維腫と診断され,部分切除術を受けた.その後も腫瘤は増大し,次第に眼球突出を認めるようになった.神経学的には,知的障害はなく,意識は清明,不随意運動,病的反射は認めない.右上肢および下肢の筋力低下を認めるが,明らかな麻痺はない.左眼の視力はほとんどない.画像検査では,眼窩後壁に骨欠損がみられ,髄膜脳瘤を伴う.また左大脳半球は側脳室が囊腫状に拡大し,視神経は低形成で痕跡状である.神経線維腫症1では,稀に眼窩骨欠損に伴い拍動性眼球突出がみられ,眼窩の再建術が行われることがある.本症例では,患者の年齢を考慮し,再建術は施行しなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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