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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻12号

2003年11月発行

文献概要

症例報告

表皮囊腫より発生した有棘細胞癌の1例

著者: 太田智秋1 木下眞人2

所属機関: 1新宮市立医療センター皮膚科 2木下外科

ページ範囲:P.1116 - P.1118

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 23歳,男性.約1か月前より生じた頚部の皮下腫瘤.病変は18×14mmの囊腫様結節で,組織学的にも,表皮より連続して真皮内に上皮性の壁を有する囊腫の存在を認める.囊腫壁は表層部でほぼ正常皮膚表皮構造を呈しているが,中層から深部にかけては肥厚した重層扁平上皮構造を呈するとともに,極性を喪失し異型性を有する角化細胞が多数の同心円様角化珠を形成しつつ増殖する.一部では境界不明瞭で真皮内に向けて箒状の微小浸潤を示す像を認める.これらの所見から,本症例は表皮囊腫より発生した有棘細胞癌と判定した.表皮囊腫の悪性化は稀だが,たとえ発症後短期間でも,あるいは比較的小さくてもその可能性について注意を怠ってはならないと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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