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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻12号

2003年11月発行

症例報告

20年の経過で増大したeccrine porocarcinomaの1例

著者: 延山嘉眞1 堀和彦1 大森一範1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1119 - P.1122

文献概要

 症例は36歳,男性.16歳頃より下腿に腫瘤が出現した.初診時,40×35mmの表面にびらん,痂皮を伴う広基性腫瘤があった.病理組織像は全体像の辺縁は明瞭で,腫瘍の浅層は表皮と連続し,深層が脂肪織に達していた.一部に核異型がみられ,多数の分裂像がみられた.以上の病理組織所見は良性とされるeccrine poroma with bowenoid changesに一致する.しかし,腫瘍中層と深層の胞巣は大きさと形が不規則であり,胞巣の辺縁が不規則に入り組んでいる点がeccrine poroma with bowenoid changesの診断基準を満たしていないので, eccrine porocarcinomaと診断した.発症から初診までの20年間の経過中に遠隔転移がないことから当初より悪性度の低い腫瘍であったのか,当初は良性で経過中に悪性化したのか,どちらの可能性も考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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