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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻12号

2003年11月発行

症例報告

脂腺上皮腫が発生母地と考えられた脂腺癌の1例

著者: 鈴木布衣子1 三宅亜矢子1 木花いづみ1 中野政男2

所属機関: 1平塚市民病院皮膚科 2湘南皮膚科

ページ範囲:P.1126 - P.1128

文献概要

 66歳,女性.幼少時より存在する左側頭部の小結節が4か月前より増大してきた.径2cm,広茎性で黄色調,表面中央部は平滑,両端が顆粒状易出血性の腫瘤を認めた.組織学的には,異型性のある基底細胞様細胞が表皮と連続性に分葉状に帽状腱膜直上まで増殖していた.腫瘍巣の中央では胞体が明るく泡沫状で核も大型の細胞を認め,これらは脂肪染色陽性を示した.一部では異型性を認めない脂腺上皮腫様の部分もあり発生母地と考えられた.拡大切除の後,電子線照射,化学療法を施行した.術後8か月経過するが再発・転移は認めていない.脂腺上皮腫は放置すると悪性変化をきたす可能性があり,早期に切除することが望ましいと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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