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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻13号

2003年12月発行

文献概要

原著

成人のアトピー性皮膚炎患者に対するグループ療法

著者: 檜垣祐子1 上田周1 服部英子1 宍戸悦子1 有川順子1 川島眞1 川本恭子2 加茂登志子2 堀川直史2

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学精神神経科学教室

ページ範囲:P.1150 - P.1154

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 成人のアトピー性皮膚炎ではストレスの緩和や対処法を習得し,行動異常としての掻破行動を修正することが治療上重要である.グループ療法では患者同士で場を共有し,同じ立場で話し合い,支持し合うことで治療意欲が増すなどの効果が期待できる.そこで当科では,2001年3月より,グループ療法を試み,2002年6月までに9回の会合を行い,36人,延べ104人が参加した.会合はストレスと掻破行動の関係や治療に関する患者自身の行動に関するミニレクチャーとフリートークで構成した.フリートークでは,自己紹介に続き,掻破行動,ストレス,治療上の工夫などにつき話し合い,ほかの患者の問題解決への支持的なかかわりが自発的に行われるようになった.参加者へのアンケート調査の結果,多くの患者がグループ療法前に比べてアトピー性皮膚炎の症状が改善し,掻破行動が軽減したほか,疾患の理解に役立ち,ストレスへの対処の仕方が向上したと回答した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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