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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻13号

2003年12月発行

症例報告

スマンクス(R) (ジノスタチンスチマラマー) 動注による皮膚潰瘍の1例

著者: 奥村美香1 中川浩一1 田宮久詩1 前川直輝1 石井正光1

所属機関: 1大阪市立大学医学部皮膚科

ページ範囲:P.1166 - P.1168

文献概要

 83歳,男性.1998年に肝細胞癌と診断され,肝動脈塞栓術,抗癌剤の動脈内注射(動注)が施行された.いったんは縮小したものの再び増大してきたため,2001年8月に側副血行路である右内胸動脈よりスマンクス(R)を動注した.当日夜から右胸部痛が,また動注3日目より圧痛と硬結を伴う紅斑が胸部右側と腹部右側に出現してきた.スマンクス(R)が内胸動脈の皮枝に流入したために生じたと考え,ステロイドホルモン製剤の内服,局所注射(局注)を行うも効果を認めなかった.次第に中央部が壊死し,潰瘍を形成してきたため,デブリードマンと植皮術により再建した.スマンクス(R)はリピオドールに溶解しているため,ほかの抗癌剤に比べ長時間血管内に留まり,遷延性の潰瘍となりやすい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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