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症例報告
文献概要
56歳,男性.30年来無治療の糖尿病あり.15年前に項部に皮疹が散在性に出現.徐々に融合しながら増大し,巨大な腫瘤を形成した.腫瘤は8.5×3.0cmで楕円形,淡紅色,ケロイド様であった.組織学的所見では,膠原線維の増生と,真皮浅層から中層の小血管の増生と細胞浸潤を認め,頭部乳頭状皮膚炎と診断した.既往に脳梗塞,糖尿病,心筋症があり全身麻酔のリスクが高いため,切除術は施行せず,保存的にケナコルト(R)の局注を行った.本症が巨大な腫瘤を形成することは稀である.病態には不明な点が多いが,無治療の糖尿病による感染の遷延,局所の皮膚のたるみや襟との摩擦,ケロイドを生じやすい体質などが腫瘤の形成に関与しているものと推測した.
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