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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻13号

2003年12月発行

症例報告

巨大な腫瘤を形成した頭部乳頭状皮膚炎の1例

著者: 出来尾格1 村田隆幸1

所属機関: 1佐野厚生総合病院皮膚科

ページ範囲:P.1169 - P.1171

文献概要

 56歳,男性.30年来無治療の糖尿病あり.15年前に項部に皮疹が散在性に出現.徐々に融合しながら増大し,巨大な腫瘤を形成した.腫瘤は8.5×3.0cmで楕円形,淡紅色,ケロイド様であった.組織学的所見では,膠原線維の増生と,真皮浅層から中層の小血管の増生と細胞浸潤を認め,頭部乳頭状皮膚炎と診断した.既往に脳梗塞,糖尿病,心筋症があり全身麻酔のリスクが高いため,切除術は施行せず,保存的にケナコルト(R)の局注を行った.本症が巨大な腫瘤を形成することは稀である.病態には不明な点が多いが,無治療の糖尿病による感染の遷延,局所の皮膚のたるみや襟との摩擦,ケロイドを生じやすい体質などが腫瘤の形成に関与しているものと推測した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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