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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻13号

2003年12月発行

症例報告

Leriche症候群の1例

著者: 原藤玲1 畑康樹1 林忍2 能勢由紀子3

所属機関: 1済生会神奈川県病院皮膚科 2済生会神奈川県病院外科 3能勢皮膚科クリニック

ページ範囲:P.1188 - P.1190

文献概要

 45歳,男性.初診の約1か月前より左第5趾に圧痛が出現.受診時,左第5趾は紫紅色調を呈し,著明な圧痛を認め,足縁に網状皮斑を伴っていた.両側大腿動脈以下の拍動が触知不能で,血管撮影検査にて両側総腸骨動脈の完全閉塞像を認めた.詳細な問診により間歇性跛行,インポテンスの存在も明らかとなり,Leriche症候群と診断した.腹部大動脈-両側総腸骨動脈バイパス術後,第5趾の色調は正常化し,疼痛,間歇性跛行,インポテンスも軽快した.Leriche症候群は,腹部大動脈から総腸骨動脈分岐部の慢性閉塞により,皮膚潰瘍や壊死などの皮膚症状を生じることがあるが,皮膚科領域での報告は少ない.動脈硬化性疾患の増加に伴い,本症の患者が皮膚科を初診する機会も増加すると思われ,皮膚科医も本症の知識を持つ必要があると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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