icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻13号

2003年12月発行

文献概要

症例報告

麻痺性イレウスおよび腹筋麻痺を合併した帯状疱疹の1例

著者: 堀田隆之1 狩野葉子2 塩原哲夫2

所属機関: 1公立阿伎留病院皮膚科 2杏林大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1191 - P.1194

文献購入ページに移動
 67歳,女性.左側腹部から背部(Th7~8領域)の皮疹で当科入院.初診時腹部単純X線所見で,小腸にniveauと小腸ガス像を認め,帯状疱疹と麻痺性イレウスの合併と診断した.経過中に軽度の腹筋麻痺を認めたが,アシクロビル投与にて,諸症状は改善した.また,皮疹の部位と麻痺性イレウスおよび運動麻痺の出現した部位は消化管神経支配領域や運動麻痺の好発部位に一致しており,帯状疱疹に伴った一連の反応であると考えられる.帯状疱疹による神経障害は通常,知覚神経障害が多いが,その障害が広範囲に及ぶ重症例では運動麻痺や自律神経障害を伴うことがある.抗ウイルス剤の早期投与は運動麻痺の予防的観点からも,有効であると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?