icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻13号

2003年12月発行

症例報告

所属リンパ節に転移巣を認め,固定型を呈したスポロトリコーシスの1例

著者: 熊谷知子1 南光弘子1 上田周1 池田美智子1 井上泰2 河崎昌子3

所属機関: 1東京厚生年金病院皮膚科 2東京厚生年金病院病理部 3金沢医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1195 - P.1198

文献概要

 臨床的に固定型を呈したが,所属リンパ節に転移巣を認めたスポロトリコーシスの72歳女性例を報告した.既往歴にコントロール不良の糖尿病,肺の非定型抗酸菌症あり.初診1年前より,外傷の覚えなく,左手首に出血,痂皮を繰り返す紅色局面が出現した.初診時,左手首尺骨側に14×19mm大の紅色局面を認め,左腋窩にはリンパ節腫脹を認めた.スポロトリキン反応陽性,病理組織像は定型像で,皮膚,リンパ節ともに培養にてSporothrix schenckiiが同定された.イトラコナゾール100mg/日を約40日間内服し,その後再燃は認めていない.皮疹部,リンパ節より得た株に対して,ミトコンドリアDNAの分析を実施し,それぞれSporothrix schenckiiタイプ5に一致するタイプが得られたため,リンパ節病変が手首の皮膚病変からの転移巣であることが裏付けられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら