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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻2号

2003年02月発行

症例報告

Herpetiform pemphigus―免疫ブロット法,ELISA法を用いた標的抗原の解析

著者: 岸本和裕1 東條理子1 尾山徳孝1 金子史男1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.156 - P.159

文献概要

 56歳,女性.紅斑の辺縁に小水疱が環状に配列し,Duhring疱疹状皮膚炎様の臨床像を呈していた.病理像は好酸球性海綿状態,好酸球を含む表皮内水疱,免疫組織所見は蛍光抗体直接法(DIF),間接法(IIF)とも表皮細胞間にIgG の沈着を認めた.免疫ブロット法(IB)では患者血清は天疱瘡抗原(130kD蛋白,160kD蛋白)に反応しなかったが,ELISA法では抗デスモグレイン(Dsg)1抗体価が157.0と高値で,抗Dsg3抗体価は0.5と陰性であった.以上より本例をherpetiform pemphigusと診断した.DIFで表皮真皮境界部にIgG,C3の線状沈着を認めたが,IBで患者血清が類天疱瘡抗原(230kD蛋白,180kD蛋白)に反応しなかったことより,類天疱瘡との合併は否定的であった.また,興味深いことに抗Dsg1抗体価は病勢に並行して推移する傾向があった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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