icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻3号

2003年03月発行

原著

頭部血管肉腫の1例報告と久留米大学皮膚科における血管肉腫12例(1985~2001年)の臨床的検討

著者: 名嘉眞武国1 濱田尚宏1 辛島正志1 安元慎一郎1 森理1 橋本隆1

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.231 - P.236

文献概要

 64歳,男性.6か月前に左頭頂部と左側頭部に紅斑出現.その後,腫瘤が出現し出血も伴ってきた.病理組織学的検討にて血管肉腫と診断.広範囲切除術,左頚部リンパ節郭清術,recombinant interleukin-2(rIL-2)の局注,静注,動注および放射線療法を施行したが,初診時から3年4か月後に死亡した.剖検では肝臓,脾臓,回腸,腸管膜リンパ節に転移を認めたが,肺,胸膜には転移は認めなかった.久留米大学皮膚科において1985~2001年の17年間に経験した血管肉腫12例について臨床的検討を行った.発症平均年齢は71歳で,男性10例,女性2例であった.男性はすべて頭部に発症しており,女性は2例とも子宮癌に対する放射線照射部位に発症していた.本症で死亡した9例の初診から死亡までの平均期間は18か月であった.治療として広範囲切除術,rIL-2の動注を施行した症例に延命効果が得られた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら