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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻3号

2003年03月発行

今月の症例

Erythema ab igneより多発性有棘細胞癌を生じたSLE患者例

著者: 石上剛史1 南満芳1 滝脇弘嗣1 荒瀬誠治1 池内恒雄2

所属機関: 1徳島大学医学部皮膚科学教室 2池内皮膚科

ページ範囲:P.241 - P.244

文献概要

 55歳,女性.20歳時,SLEを発症.その後いつとはなく両側下肢に網目状の皮疹が出現し,36歳頃から皮疹に一致して有棘細胞癌(SCC)あるいはSCC in situが多発してきた.当科入院時,軀幹,下肢を中心に大網状の暗褐色斑を認め,両膝蓋部,下腿ではその斑上に種々の大きさの疣状小結節が多数みられた.臨床検査では抗カルジオリピンβ2グリコプロテインⅠ抗体,ループスアンチコアグラントが陽性で,基礎疾患として抗リン脂質抗体症候群(APS)を伴うSLEがあると考えられた.患者が電気毛布や温熱マットなどの温熱刺激に長期間曝露されていたこと,網状皮疹の病理組織像,臨床所見と併せて現在の皮疹をerythema ab igneと考え,その皮疹上にSCCが多発してきた原因を考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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