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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻3号

2003年03月発行

文献概要

症例報告

塩酸ジブカインによる接触皮膚炎と治療中にゲンタマイシンによる接触皮膚炎症候群を呈した1例

著者: 吉田慶子1 須貝哲郎1 西井貴美子1 田水智子1 永尾淳1

所属機関: 1池田回生病院皮膚科

ページ範囲:P.246 - P.248

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 61歳,男性.初診2か月前より両耳内に痒みを自覚し掻破を繰り返していた.その後,両耳内が腫脹し,滲出液出現したためオキシドール,テラコートリル軟膏外用するも軽快せず,初診の3日前よりサニアクリーンを使用したところ皮疹の悪化がみられたため当科を受診した.パッチテストにより,サニアクリーン成分中の塩酸ジブカインによるアレルギー性接触皮膚炎と判明した.また,治療に使用していたリンデロンVG軟膏外用にて接触皮膚炎症候群も生じた.塩酸ジブカインを含むOTC薬(over-the-counter drug)は50種と多く,消毒薬,抗真菌剤,虫さされの薬として,びらん,潰瘍面に使用されており,感作を起こしやすいため,医療上大切な局所麻酔剤のOTCへの安易な配合は危険であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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