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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻3号

2003年03月発行

症例報告

尿閉をきたした胸神経領域の帯状疱疹

著者: 福山國太郎1 遠藤桃子1 丸山隆児1 斉藤一隆2

所属機関: 1中野総合病院皮膚科 2中野総合病院泌尿器科

ページ範囲:P.279 - P.281

文献概要

 68歳,男性.初診の3日前,右前腹部に皮疹を生じ,他院でアシクロビルの点滴静注を受けた.しかし,同日より食欲不振,発熱が出現し,徐々に全身倦怠感が増悪したため当科を受診した.初診時,右側腹部から背部(第9~第11胸神経領域)に,紅暈を伴う小水疱が多数集簇して認められた.同時に強い排尿障害を合併しており,自己排尿は不可能で尿道カテーテルの留置を要した.膀胱内圧測定では低緊張性神経因性膀胱の所見が明らかとなった.その後,帯状疱疹が治癒するとともに排尿障害も徐々に改善し,約2か月後には治癒した.胸神経領域の帯状疱疹に伴って,その近くを走行する交感神経が障害され尿閉をきたしたものと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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