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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻4号

2003年04月発行

臨床統計

―AD Forum―アトピー性皮膚炎の診療に対する医師の認識についてのアンケート調査(第3報)

著者: 瀧川雅浩1 川島眞2 古江増隆3 飯塚一4 伊藤雅章5 中川秀己6 塩原哲夫7 島田眞路8 竹原和彦9 宮地良樹10 古川福実11 岩月啓氏12 橋本公二13 片山一朗14

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学皮膚科学教室 3九州大学大学院医学研究院皮膚科学 4旭川医科大学皮膚科学教室 5新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野 6自治医科大学皮膚科学教室 7杏林大学医学部皮膚科学教室 8山梨大学医学部皮膚科学教室 9金沢大学大学院医学系研究科皮膚科学 10京都大学大学院研究科皮膚科学 11和歌山県立医科大学皮膚科学教室 12岡山大学大学院医歯学総合研究科皮膚・粘膜・結合織学 13愛媛大学医学部皮膚科学教室 14長崎大学医学部神経感覚医学(皮膚科学)

ページ範囲:P.343 - P.352

文献概要

 アトピー性皮膚炎患者に対する前2回のアンケート結果と考察に基づき,今回は皮膚科医を対象としたドクターアンケートを実施し,285名から回答を得た.アンケートに回答した医師の98.2%が日本皮膚科学会編「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」を知っていた.治療に関しては,全身投与薬剤では抗ヒスタミン薬と抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬の使用が中心であった.また,外用薬はすべての医師が「いつも」または「しばしば」ステロイド外用薬を使用しており,それを補助するかたちで免疫抑制外用薬のタクロリムス外用薬を用いていた.保湿薬はスキンケアの一環として大体の医師が処方していた.アトピー性皮膚炎との関連性が注目されているストレスについては,90%以上の医師がストレスに起因した掻破が症状に「大きく」または「かなり」関与していると考えており,ストレスを緩和する対策が,アトピー性皮膚炎治療の一つの大きな柱になると思われる.また,患者が民間療法に向かう理由を「ステロイドに対する不安」と考えている医師が一番多く,次いで「医療サイドへの不信感」,「医師の説明が足りない」などを挙げた医師が多かった.薬剤や治療方針の患者への詳しい説明も含め,医療サイドと患者とのコミュニケーションについてはさらに改善する努力が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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