icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻4号

2003年04月発行

症例報告

四肢間擦部に点状紫斑の集簇をみたパルボウイルスB19感染症の1例

著者: 山田陽三1 足立厚子1 林一弘1 小川豊2

所属機関: 1兵庫県立加古川病院皮膚科 2小川皮膚科医院

ページ範囲:P.366 - P.369

文献概要

 17歳,女性.発熱,嘔吐で発症し,四肢間擦部の点状紫斑,四肢末梢の腫脹,関節痛を呈した.紫斑部病理組織にて基底層の軽度の液状変性とCivatte bodyを,真皮浅層から深層の血管周囲にリンパ球を主体とする細胞浸潤と軽度の赤血球の血管外漏出をみた.血管炎の像はなかった.蛍光抗体直接法で表皮真皮境界部,真皮乳頭層の血管に一致してC3が沈着.パルボウイルスB19(PV-B19)に対する抗体価が病初期ではIgMクラスが高値を示していたのに対し,2週間後にはIgMクラスの低下とIgGクラスの上昇をみたことよりPV-B19初感染と診断.四肢間擦部の紫斑や,四肢末梢の腫脹を呈した時は,PV-B19感染症を考慮する必要があると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら