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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

症例報告

ブラジル鉤虫によると思われたcreeping eruptionの1例

著者: 本橋尚子1 谷口裕子1 大滝倫子1 滝野長平1 赤尾信明2

所属機関: 1九段坂病院皮膚科 2東京医科歯科大学医学部医動物学教室

ページ範囲:P.373 - P.375

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 48歳,男性.カリブ海の砂浜で横になった1週間後に右腋窩にそう痒および疼痛を伴う紅斑が出現,胸部に向け帯状に伸長した.病理組織学的には明らかな虫体は認められず,真皮全層に多数の好酸球の浸潤を認めた.Creeping eruptionと診断,経皮感染であることおよび罹患地域からブラジル鉤虫が原因と推察した.ブラジル鉤虫は日本には生息しないが,近年の邦人の海外旅行の増加に伴い,国外で罹患し帰国後発症する症例が増え,自験例を含め11例に達した.その罹患地は東南アジアと中南米に二分される.自験例では診断と治療を兼ねて外科的摘出を試みたが,虫体が検出されなかったにもかかわらず,自然治癒した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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